「機動戦士ガンダムZZ」をHuluで全部見終わりました。
「ファーストガンダム」や「Zガンダム」「逆襲のシャア」など他のガンダムシリーズは見ているのに、なぜかこの「ガンダムZZ」だけは今までずっと見てませんでした。
今回、全部見終わって、いろいろ「えっ?」って思うことが多くて、調べてみると「ガンダムZZ」に対して評価が低い人って多いですね。
そこで「機動戦士ガンダムZZ」はガンダムファンの中でなぜ評価が低いのか考察してみました!
感想も交えて解説していきます。

「機動戦士ガンダムZZ」の作品情報

「機動戦士Zガンダム」の直接的な続編として制作されたTVアニメのガンダムシリーズ第3弾です。1986年から全47話が放送されました。
1986年ってかなり古いですね。
ニュータイプのジュドー・アーシタが主人公で、U.C.0088年の第一次ネオ・ジオン抗争を描いています。
特徴としては序盤はコミカルに描かれていて、19話以降は今でのガンダム通りシリアスにストーリーが進んでいきます。
「機動戦士ガンダムZZ」のあらすじ
グリプス戦役で傷ついたエゥーゴの強襲揚陸艦アーガマは修理と補給の為にサイド1の1番地コロニー=シャングリラへ寄港していた。
少年ジュドー・アーシタは、妹リィナの学費を稼ぐために仲間たちとジャンク屋で生計を立てていた。
ある日、宇宙を浮遊する脱出カプセルを回収し、結果的にティターンズの士官ヤザン・ゲーブルを救出する。
ヤザンはジュドーたちにアーガマからZガンダムを盗み出し、一儲けする事をけしかけられた。
口車に乗って、Zガンダムを盗みにアーガマに潜り込むジュドーだったが、そこで会ったのは放心状態で廃人同様となったZガンダムの元パイロット、カミーユ・ビダンだった。
機動戦士ガンダムZZ 公式HP
「機動戦士Zガンダム」のラストでカミーユ・ビダンが精神崩壊し、その代わりにZガンダムに乗るのがジャンク屋のジュドー・アーシタです。
「ファーストガンダム」から登場し続けているブライト艦長がジュドーがニュータイプであることを推測し、アーガマに勧誘し、ジュドーの戦いが始まっていきます。
「機動戦士ガンダムZZ」は、なぜファンの評価が低い!?
今では多く作品のあるガンダムシリーズの中でも「機動戦士ガンダムZZ」はファンの中で評価が低く、モビルスーツのガンダムZZ、主役のジュドーと共にそろって不人気となっています。
そこで今回「機動戦士ガンダムZZ」を全話見終わったので、なぜ、評価が低いのかを考察してみました!
期待外れの序盤のストーリー展開!

「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」と続き、待望の第3作目の「機動戦士ガンダムZZ」としてTVアニメに登場するのですが、1作目と2作目と比べて、いきなり雰囲気がガラリと変わります。
コメディ感のある作品になっているのです。
最初のマシュマーなんて完全にお笑いキャラでした。
いつもバラを眺め、ヤザンが捨てたチキンの骨を誰かの骨と勘違いするネタのオンパレード。
「ファーストガンダム」や「Zガンダム」から引き続き登場のブライト艦長ですら、コメディ色のあるキャラに変更されてました。
前作のZガンダムでは、シリアスにストーリーが進んでいくので、このあまりの違いに戸惑いを感じた人も多く、ガンダムファンが離れていくといった現象が起きたそうです。
そのため19話ほどから路線が変わり、コメディ色はなくなっていき、(多少ある。)今までのガンダムのようなシリアスな雰囲気になっていきました。
この序盤のコメディ色はガンダムファンからしたら期待外れの結果を生んだと思います。
Zガンダムからの直接的な続編として始まり、エゥーゴとティターンズ、アクシズと三つ巴の戦いで、カミーユがシロッコを破り、精神崩壊という最終話からの続きがいきなりのコメディ色強めのガンダムなっていれば、「3作目は終わったな。」と思ってしまいます。
今までのガンダムから引き続き見始めた人にとってはそれぐらい期待外れです。
しかし19話以降のシリアスに路線変更したことはよかったと思います。
最終話に近づくにつれ、いつものガンダムのような面白さ、緊張感もあるようになっていきます。
「Zガンダム」からの機体引き継ぎが多い
ガンダムシリーズの面白味の一つであるのが、モビルスーツ(以下MS)です。
今回のMSはどんなデザインでどんな機能を持ったのが出てくるのか楽しみなのですが、「機動戦士ガンダムZZ」には、前作から引き継いだMSが数多く登場します。
ガンダムチームが終始乗っている機体は、ガンダムMKⅡ、百式、Zガンダムだし、ネオ・ジオン側もザクやゲルググ、ズゴックなど、ファーストガンダムに登場した機体がよくでてきます。
もちろん新しいMSもでてくるのですが、これがまたダサいんですよ!
主役機のZZガンダムの頭についてるハイメガキャノンもデザイン的に苦手な人も多いようです。
あとは合体するMSが不人気を集めてるようです。
しかも合体後はポーズを決めます。
まるでなんとかレンジャーででてきそうな合体ロボの雰囲気が出てしまっていて、ガンダムの格が下がってしまってる気がします。
ネオ・ジオン側の新機体はどうかというと、これもまたデザインがあまり良くないのです。
ネットではゲテモノ系と言われてるぐらいです。
これもまたファンの間では評価が低くなってしまった理由かもしれません。
主要キャラが全員子どもでわちゃわちゃ

「ファーストガンダム」「機動戦士Zガンダム」ともに主人公は子どもだし、登場人物も子どもは出ていました。
例えば、「ファーストガンダム」に出ていたカイやハヤト、セイラも子どもで、ガンダムシリーズは子どもの登場が多いのは、不思議ではないのです。
しかし本作においては、「大人少なすぎない?」って思うぐらい、ほぼ子どもでチームが作られています。
Zガンダムのようなシビアで重い雰囲気ではなく、本作は、たくましく生きる少年少女の視点で明るいガンダムを目指したらしいのです。
そのため主要キャラに子どもが多いという状態が出来上がりました。
アーガマに乗船している人物に子どもが多すぎて、違和感なんですよね。
終盤には、ブライト艦長もアーガマから降り、ビーチャを艦長代理にすえるので、大人が2人ほどしか残ってないのは、少しやりすぎで無理がある気がします。
特に序盤はコミカルに描かれていて、主要キャラの子どもがわちゃわちゃしてることで視聴率も低迷しだしたそうです。
子どもは全員ニュータイプ?
あと僕が気になったのは、ニュータイプについてです。
「子どもはニュータイプ!見せてやろうじゃないの!大人たちにさ!」をキャッチフレーズに本作は始まりました。
ニュータイプはエスパー的な不思議な能力を使えて、察知したり、感覚的に鋭い人物のことのように思われていますが、実際には、『誰とでも意思疎通をする存在であり、相互理解が可能』な人物で本作では、その原点に戻そうとし、主要キャラの子どもはニュータイプとしたみたいです。
僕はガンダムシリーズの一つの魅力として「ニュータイプとは?」というのがあると思います。
ニュータイプはガンダムの世界でもどういうものか全ては理解されていません。
宇宙に出たことによる人の可能性のようなもので、毎回ガンダムを見るたびにニュータイプの可能性が出てくることがおもしろいのです。
例えば、サイコミュで機体を動かしたり、ニュータイプ同士惹かれあったり、通じあったり、パワーダウンした機体が復活したりと、不思議な現象が起き、ニュータイプは一体どこまで何ができるのかが知りたくなります。
本作では、終盤はそういったシーンは出てきますが、それまではあまり出てこなくて、ニュータイプについてもあまり言及されていません。
ガンダムにはニュータイプは切っても切り離せない関係のような気がします。
最終的に中途半端の仕上がりになっている
序盤のコミカルな設定からの路線変更や前作からのMSが多い点や新しいMSのデザインがダサい点など、実は大人の事情でトラブルもあり、このような結果になっていったそうです。
視聴率の低下で離れたファンを取り戻すために、途中で前作からのMSを増やしましたが、取り戻すことも叶いませんでした。
また序盤と終盤で雰囲気がガラッと変わってしまうので、前半が好きな人もいれば、後半が好きな人もいます。
その中途半端な出来が、「機動戦士ガンダムZZ」の全体で見ると評価が低くしてしまっています。
結局はすべてが中途半端なんでしょうね。
「機動戦士ガンダムZZ」のおもしろいところはないの!?
評価が低い、不人気、中途半端だと散々いろいろ言いましたが、おもしろいところがないわけではないです。
おもしろいところも十分あります。
僕は後半が好きなので終盤になるに連れてどんどん面白くなりました!
後半になるにつれて、いつものガンダムのような雰囲気になります。
ジュドーも最初はわちゃわちゃしているただの子どもなんですが、多くの戦闘やプルの死を乗り越えていき成長していきます。
後半にはジュドーも一人前のパイロットになっています。
このジュドーは今までの主人公のアムロやカミーユと違うタイプなのがまたいいです。
まず精神的に強いです。
アムロも少し鬱みたいになりましたし、カミーユは精神崩壊ですが、ジュドーは一切そういったことはありません。
リィナが死んだ時(実際は生きていた。)は少し殻に閉じこもりましたが、妹が死んだと思ったら、そうなるのも当然です。
しかし、ジュドーはすぐさま復活して、MSに乗り出します。
不屈の精神!!
あとは大義よりも私的な理由で戦争に身を投じていくというところです。
最初はお金になるためにアーガマに乗り、妹がさらわれて助けるためにやる気を出します。
そんなジュドーですが、終盤にはグレミーに「何のために戦っているのか?」と聞かれ、戸惑いますが、自分なりの答えを見つけていきます。
ジュドーの成長はこの作品のおもしろいところです。
最後に
ガンダムシリーズの中で低評価を受ける「ガンダムZZ」。
作品が前半、後半で雰囲気が違うので、中途半端でファンの中でも受け入れにくいものとなっています。
後半はいつものガンダムに戻っていき、盛り上がりを見せてくれます。
今までのガンダムとは違った作品なので、好きな人には好きな作品かもしれません。
「逆襲のシャア」や「ガンダムUC」につながるシーンもあるので、見てみるといろいろ繋がっておもしろいですよ。
おわり。